開業前ノウハウ

コストカット&魅力アップ!100均で作るデイサービス事業所の空間づくり

こんにちは、デイサービス開業コンサルタントの増田です。

デイサービス施設の運営において、利用者さんが快適に過ごし、再訪を楽しみにするような環境作りは非常に重要です。

本記事では、デイサービス開業コンサルタントの増田が、利用者満足度を高めつつ、内装費用を抑える独自の空間作りのノウハウをご紹介します。

この方法を実践することで、利用者さんに長く通ってもらえるようになり、満足度の高い空間を作ることができるようになります。

さらには内装費用も抑えることで、開業の初期費用を抑えることができます。

この記事の監修者
増田裕一

利用者が長く通いたくなるデイサービスの空間作り

利用者が長く通いたくなるデイサービスの空間作り

デイサービス施設の空間作りの最初の目的は、利用者さんが安心して過ごせる環境を作ることです。

快適な空間を作ることは、利用者さんが長期間にわたって施設を利用したいと思う大きな理由の一つになります。

空間作りのために、内装を良くしていこうと考える方は多いと思います。

例えば、豪華な備品を使うとか、使える備品も新しいものに入れ替えたり、運動するためのマシンを豪華なものを導入して、設備が充実していると思ってもらえるよう、そういった機材にお金をかけている方も多いです。

しかし、良い空間づくりのために必要なものは実際そうではなく、この考えは「運営者の方の自己満足」とも言ってもいいものです。

空間作りで大切なことは、利用者さんにいかに快適に気持ちよく過ごしてもらうかです。

利用者さんに気持ちよく過ごしてもらうには、痒いところに手が届いていると思ってもらえるような設備があること、会話の糸口になる備品があるということです。

この「痒いところに手が届く」と思ってもらえるような空間作りがポイントになります。

利用者さんの満足度を高める空間づくり

利用者さんの満足度を高める空間づくり

高額な内装や設備投資が、必ずしも利用者さんの満足に直結するわけではありません。

実際には、利用者さんのニーズを満たし、快適性を高めるための工夫こそが重要になります。

これには例えば、どういったものがあるのか?

私のところで使っているものとして、テーブルの角にぶつけないようにするためのクッションとなる「コーナーガード」があります。

また、利用者さんが杖をついて歩いてこられる方もいらっしゃいますので、その杖を椅子に固定するための「杖ホルダー」もつけたりしています。

なぜこれらが必要となるのか?

例えば、テーブルの角をぶつけないようにするコーナーガードは、普段であれば机の角にぶつかるようなことは少ないと思います。

しかし、例えば座っていて物を落としたときに、物を拾って頭を上げた際にテーブルの角で頭をぶつけてしまうことを防いでくれます。

事故防止グッズ

また、杖は普段は壁にかけておけば問題ないと考えますが、壁にかけておいた場合は椅子から立ち上がって杖を取ろうとした時に、つまづいて倒れてしまったりすることがあります。

また、杖を落としてしまって拾おうと、屈んだ時に膝の痛みを感じたり、そもそもうまく掴めなかったりします。

若い頃と違ってお年を召されると、細かな部分で自分が考えている動きと誤差も出てきてしまいますので、取りたい時に杖が簡単に取れるよう、椅子に杖ホルダーを固定しておくことでそうしたトラブルを防ぐことができます。

あとは、椅子にクッションや、タオルケットも準備しています。

これは、座る時にクッションがあると楽に座れることはもちろん、足のマッサージをする時にクッションを膝に抱えていると落ち着くという効果があります。

また、タオルケットは膝などにかけることで寒さ対策として利用ができます。

トイレや洗面台などの水回りの装飾

さらに、トイレや洗面台などの水回りにも、こういった心遣いを意識した備品を活用しています。

例えば水回りで考えた際に、洗面台の排水管がそのまま露出していると、どうしても味気ないというか、デザイン性で見劣りする部分ができるので、排水管が目立たないような形で飾り付けをしたりします。

あとは、ただの無機質な壁では寂しいので、壁にリメイクシートと言われるような、おしゃれなデザイン性のある壁紙シールを貼ったりします。

これは裏面がすぐに貼れるようなシールになっていて、ペタッと貼って簡単に壁紙風にデザインすることができます。

こういったものを、洗面台やトイレなどの水回りに貼ることで全然雰囲気が変わります。

でも、そういった内装を大きく変える物は高いのでは?と考えることでしょう。

しかし、それを安く購入して揃えることは可能なんです。

100円ショップ活用術:コストパフォーマンスの高い空間作り

100円ショップ活用術:コストパフォーマンスの高い空間作り

内装を整えるために必要な備品を、例えばホームセンターであったりとか、インターネットで購入してもいいんですが、今は100円ショップで購入することが可能です。

100均って言われるようなダイソーやセリア等、こういった100円ショップというのが身近にあると思いますので、そうした100円ショップで買った備品を工夫して利用することによって、いい空間作りを安く行うことができるのです。

先に挙げた例としては、コーナーガード、杖置き、クッション、タオルケット、壁紙シール、などをお伝えしましたが、利用者さんに喜ばれる小物も作成ができます。

例えば私の事業所では、デイサービスを利用したいと思って見学に来られる方に対して、「歓迎」の気持ちを伝えるために「ウェルカムボード」というものを用意させていただいてます。

ウェルカムボード

こちらは職員一同がお迎えしてますという気持ちを伝えるため、職員一同で手作り感を出して作成をしていますが、全て100円ショップで材料を揃えています。

100円というと安くてチープな感じを受けるかもしれませんが、工夫次第でいい空間作りを行うことが可能になります。

今お伝えしましたのが100円ショップにあるものを活用して空間作りをしていくというものです。

職員と利用者の絆を深めるコミュニケーションツール

職員と利用者の絆を深めるコミュニケーションツール

これまでは主に装飾品や備品についてお伝えしましたが、私たちが空間作りをするだけではなくて、利用者さんが持ってきてくれたものを積極的に利用する方法があります。

例えば利用者さんが作ったお手玉であったり、鉛筆立てであったり、描いてくださった絵を飾ることもあります。

また、利用者さんのお子さんが昔使っていたパズルであったり、花札であったり、昔使っていた鉛筆立てとか、本当にお家にあるものを持ってきていただいたり、自宅で育てていたお花など、こうして持ってきていただいた小物をテーブルの上に飾ったりして一緒に空間づくりをしています。

これ以外にも、利用者さんとのツーショット写真であったり、お誕生日の写真なども貼らせていただいています。

あとはスタッフ紹介ということで、職員1人1人のプロフィール(自己紹介)も貼っています。

そこには、スタッフの家族構成であったり、趣味だったり、旅行先の写真とか様々な内容です。

こういったものがあると、利用者さんの目に止まって、「あ、これはどこに行った時の写真だ」とか、そこに書いてある趣味についてなど、新しい会話の糸口になることで利用者さんとのコミュニケーションツールになります。

誕生日のお祝い

私の事業所では催し物として、利用者さんの誕生日のお祝い時に「誕生日カード」っていうものをお渡ししています。

誕生会の写真も壁に飾ってもいますが、利用者さんがご自身のお家に飾っていただいたりもして、本当に喜んでくださって、来月は、私が誕生日だからと非常に楽しみにしてくださっています。

利用者さんによっては、年齢を重ねることで、誕生日をなかなか祝ってもらえなくなったり、年を取ることに対してそんなに祝ってもらわなくてもいいよと言われる方もいらっしゃります。

しかし、実際に皆さんに祝ってもらえるとそれはやっぱり嬉しいわけです。 本当に笑みがこぼれんばかりに喜んでくださるので、こうやって誕生日をお祝いすることは、お祝いをする側も嬉しくあり、皆さんでお祝いすることが非常に有意義なことだと思っています。

これは積極的に良い空間を作るということでもぜひやっていただきたいです。

では、なぜ私がこういったものを意識しているのか?

満足度を上げると共にケアマネさんへアピール

満足度を上げると共にケアマネさんへアピール

他のデイサービス事業者さんですと、壁には運動の仕方や、健康に関する説明などを貼ってあるところが多いです。

もちろん、そういう役立つ情報が貼ってあることは素晴らしいとは思いますが、利用者さんが居心地が良いとか、喜んでもらえる、利用者さんがまた来たくなるような空間作りという点においては物足りなさがあります。

なので、壁に貼ってあるものがコミュニケーションツールにもなり、居心地のいい空間作りにもなることで、利用者さんの満足度に繋がっていくわけです。

この利用者さんの満足度に繋がることで、どのような利点があるかというと、ケアマネージャーさんへのフィードバックをしてもらえるということです。

利用者さんが良いと思ってくださると、それをケアマネージャーさんとのヒアリング時にお話をしてくださります。

また、ケアマネージャーさんはこれ以外にも、定期的にデイサービスの事業所に訪問してくださります。

その時に事業所に写真が貼ってあると、例えばクリスマスのイベントでビンゴ大会を開催していたとか、誕生日に皆さんでこういったお祝いしている、この事業所ではこんなレクリエーションをやってるいる、こんな運動してるんだな、といったように、その場では見れない風景を見ることができます。

それによって、「ここの事業者はこういった雰囲気なんだな」「こういった利用者さんがいるんだな」っていうのがイメージしやすくなります。

また、男女比率、年齢層、そういった具体的なことも写真を見ることによってイメージがしやすくなって、利用者さんたちの雰囲気も見ることができます。

こうしたことで結果的にケアマネージャーさんが、利用者さんを「ここのデイサービスへ紹介したいな」と考える判断材料になります。

まとめ

今回は空間作りの大事なポイントとしていくつかある中で、その1つをお伝えさせていただきました。

デイサービスの空間作りには、高額な内装や豪華な備品を揃えることだけが必要ではありません。

空間作りでは、利用者さんの満足度を高めながら、初期費用を抑えるために100円ショップをはじめとした手頃な購入先を利用し、利用者さんの「痒いところに手が届く」ような配慮が施された空間が、デイサービスを長く愛される場所に変える鍵となります。

また、利用者さんや職員が共に空間作りに参加することで、より温かみのある、アットホームな安心感を提供できます。

こうしたアプローチにより、利用者さんはもちろんのこと、ケアマネージャーさんやご家族からも高い評価を受けるデイサービスの運営が可能になります。

今回紹介した以外にもいくつか空間作りを良くしていくポイントはありますので、また今後伝えていきますので、楽しみにしていただけたらと思います。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。