こんにちは、デイサービス開業コンサルタントの増田です。
今回は半日型デイサービスで開業するまでの流れを詳しく解説します。
これからデイサービス開業を考えている方は、ぜひこの開業までのステップを注意深く確認してください。
この順番通りに進めないと、開業までに数ヶ月の遅れや、人件費や空家賃などの余分な費用が発生してしまうかもしれません。
Contents
デイサービスの成功は開業前で9割決まる
それでは、開業の流れについて詳しく解説しますが、まずデイサービスが成功するかどうかは、開業前の準備が9割を占めると言われています。
つまり、しっかりと開業前の準備を行うことが、黒字化と成功への鍵と言えるでしょう。
今回の内容は非常に重要な情報が含まれているため、何度も読み返して学んでください。
まず、デイサービスを立ち上げる際の流れは、主に以下の通りです。
これらのステップは一部並行して進行する必要がありますが、順番に説明していきます。
デイサービス開業に必要なこと:ハード面
①参入地域の選択
まず、デイサービスの事業所をどの地域に立ち上げるか?ということで、ライバルが少ない地域(同様のデイサービスの事業所が存在しない地域)を調査します。
地域によっては高齢者や介護保険保有者が少ない地域もありますので、対象者が多い地域をデータをもとに選定します。
②物件の調査
次に、デイサービスに適した物件を探す必要があります。
この記事では半日型デイサービスを前提としていますが、物件選定は非常に重要となります。
例えば、飲食店であれば人通りの多い場所(路面に面したお店)や、交通アクセスの良い場所が適しています。
また、物件の調査では内装工事を前提とするか、内装を最小限にして即時開業可能な物件を選択するか?といった点も考えて検討します。
③物件の確定
デイサービス事業に適した物件を見つけたら、契約を進めて物件を確保します。
契約を行う際には、契約書をよく読んで内容に不備がないか、疑問点が残らないようにチェックしましょう。
また、物件を借りる際に気を付けるポイントは多くありますが、以下に主要なポイントをいくつか挙げてみましょう。
内見:
物件を実際に内見することは重要です。写真だけではなく、実際に現地を見て、設備や状態を確認しましょう。
契約書の確認:
契約書をよく読み、細かい条項や責任を理解しましょう。必要ならば、弁護士や不動産の専門家にアドバイスを求めることも考えましょう。
物件の立地:
物件の立地は非常に重要です。
利用してくださる介護保険認定者の方が多い地域を選ぶなど、立地選びは重要です。
間取りと設備:
物件の間取りが事業所に適しているか確認し、設備やアメニティ(エアコン、水場、電源)が必要なものが揃っているか確認しましょう。
契約条件:
契約条件はよく理解しておきましょう。これには契約期間、更新条件、退去時の注意事項なども含まれます。また、部屋の改装など、特別な条件にも注意が必要です。
トラブル対策:
不動産業者や大家との円滑なコミュニケーションを保つことが大切です。トラブルが発生した場合、適切に対処できるように情報を保管しましょう。
予算の確認:
借りる物件の月々の家賃や初期費用が、あなたの予算内に収まっているか確認しましょう。家賃以外にも、敷金や礼金、保証金、仲介手数料など初期費用に注意が必要です。
保証人や保証金:
必要な場合、保証人を手配し、保証金の取り扱いについて確認しましょう。また、退去時の保証金の返還条件を理解しましょう。
費用の透明性:
家賃以外の費用(管理費、共益費、駐車場代など)がある場合、その金額と支払い方法を確認し、透明性があるか確認しましょう。
これらのポイントに注意して、物件を選ぶ際に失敗しないようにしましょう。
不動産市場や契約条件は地域によって異なることがありますので、現地の法律(県の条例等)や慣習にも注意を払うことが重要です。
④内装工事(リフォーム)
物件によっては内装のリフォームが必要となりますが、必要な場合はリフォーム業者の選定も行っていきます。
価格や希望内容との条件一致など、業者を選ぶ際には様々な要因を考慮し、複数の見積もりを比較することが大切です。
とくに納期に関しては重要で、遅れることが開業の遅延につながると同時に物件の維持費など余計な費用の発生にもつながるため、事前に確認しておきましょう。
⑤備品搬入
建物の準備が整ったら、必要な備品を搬入する必要があります。
この備品とは、デイサービスを提供するために必要となるものです。
例えば、利用者さんが見学に来た際にお話をする相談室のテーブルですが、高級品を用意する必要はありませんが、古臭く汚れているものであれば受ける印象は違ってきますので、準備する備品にはある程度推奨されるものがあります。
また、備品の購入方法やルートによってかかる費用(コスト)は大きく異なるため、適切な方法を選択することが重要です。
コストを抑えつつ備品を整える方法もありますが、知識が不足していると無駄なコストがかかる可能性があります。
ポイントを押さえておけば、1/3~1/2といったように大幅にコストを抑えて備品を揃えることも可能です。
この点については実際に物件に合ったものを、私が実際にアドバイスさせていただきます。
デイサービス開業に必要なこと:ソフト面
ここまで、参入地域の選定、物件の選択、内装(リフォーム)と備品の準備といったハード面について話をしましたが、これでおおむね事業所に関した作りこみは一通りできると思います。
次に進めていくべき点として、上記の流れと並行して考えておくべきものがあります。
それは、デイサービスで働いてくれる人材の確保です。
⑥採用活動(雇用条件、給与設定)
まずは、デイサービスで働くスタッフを採用する必要があります。
備品の搬入やスケジュール感を見ながら、採用活動を進めるために雇用条件や給与設定を検討していきましょう。
こちらに関しては私も人材ネットワークを持っていますので、採用活動に協力することが可能です。
また、雇用条件や給与設定についても、私が行っているデイサービスの情報をシェアすることでアドバイスができますので、事業者として最適な方法を選択しましょう。
もちろん、ご自身で会社をやられている方であれば、会社独自の規定で行いたい場合もあると思いますので、そちらの方法でも問題ありません。
事業運営をするにあたって、働いてくださる職員、運営されるあなたにとって良い形で進められるよう、契約書の作り方などもお伝えします。
⑦研修
採用活動を行った後、開業までの期間にスタッフの研修を進める必要があります。
研修内容には座学、ロールプレイング、現地研修などが含まれます。
知識としての座学だけでなく、実際に利用者にサービスを提供する経験を積むことが重要です。
どのようにサービスを提供するかや、対応方法などの実践的なスキルを習得するため、研修をしっかりと進めましょう。
リハビリ運動してもらうにはどのようにしてもらうのがいいのか?どのような点に気を付けるべきなのか?その際の対応など、座学だけではわからない点が多く見つかると思います。
デイサービス開業に必要なこと:集客面
これまでの流れで、建物などのハード面、サービス提供に関するソフト面に関して準備が整いました。
物件の準備やスタッフの採用、研修が進行中に、デイサービスの集客活動も行う必要があり、それは「内覧会」「見学会」「営業活動」といったものになります。
⑧内覧会・見学会・営業活動
・営業活動
デイサービスの利用者さんを探す集客には、ケアマネージャーとの関係構築が鍵となっていきます。
そのために、ケアマネージャーさんとの関係値を築いて積極的なPR活動を行っていく必要があります。
例えばケアマネージャーさんに同行したりするのも一つの方法ですね。
ただ、最初はどのように話をしたらいいのかわからない。。といったこともあると思いますので、私が同席(営業同行)するといったサポートも提供します。
・内覧会、見学会について
内覧会というのは、ケアマネージャーさんにお声がけさせていただいて『新しい事務所ができましたよ』と、お披露目会をすることです。
この内覧会によって新しい事業所をアピールすることができれば、ケアマネージャーさんにデイサービスを検討しているおじいちゃん、おばあちゃんを紹介してもらうことができます。
見学会というのは、ケアマネージャーさんに紹介していただいた、おじいちゃん、おばあちゃんに事業所へ見学に来てもらうことです。
集客の流れはこうして行われますが、自分での営業集客を不要とするためにはケアマネージャーさんとの関係値は重要であることがわかると思います。
自分達の事業所で何ができるのか?また、利用者さんに来ていただいた際にサービスを提供できるのか?といった点のPRを積極的にしていきましょう。
この点についても私が、研修等でフォローさせていただきます。
実際の流れをシュミレートした結果はこちらを参照してください。半日型デイサービスで稼げる金額とは?開業収益シミュレーションを公開
デイサービス開業の流れ まとめ
今回紹介した流れは、開業までの最短ルートであり、失敗せずに成功へ至るための道でもあります。
最初にもお伝えしましたが、デイサービスの成功は開業前で9割決まります。
事前準備が大切であり、ズレや不足があると満足度の高い事業所を運営することが難しくなります。
開業前のズレ、足りない部分を把握する
このズレや足りない部分というのは、利用者さんが喜んでくださる、満足してくださる事業所になるための開業準備ができているかどうか?といったことです。
たとえば、デイサービスを始めるにあたって様々な事業所を見る機会があったと思いますが、立地が良い、人通りが多い場所にある事業所は目立つから良いと思うかもしれません。
でも、それが利用者さんにとっても本当に良いのか?というと実はそうではありません。
なぜなら、送迎のしやすさを考えた場合、「ドアツードア」で自宅から目的地である事業所の入り口へ、直接車での乗り降りが可能なようにするほうが重要です。
人通りが多い場所の方が確かに目立つといったことはあるかもしれませんが、集客はケアマネージャーさんからの紹介になりますから、それが集客につながるといったことは多くありません。
また、送迎をするためには人通りが多い場所である必要はなく、逆に人が多いと送迎の弊害となってしまいます。
送迎のしやすい場所に事業所を配置することで、利用者さんの負担を軽減し、満足度を高めることができるのです。
利用者さんにとっての最良を考える
最近、ご自宅で転倒してデイサービスの利用を、お休みされていた方がいらっしゃいました。
今までは元気で歩行も安定していましたが、転倒されて御自宅で療養されている期間が2週間ほどあり、久しぶりにお会いしたところ体力がだいぶ落ちていました。
送迎車から降りて事業所に入るときも歩行がおぼつかなくて、送迎車から降りてすぐ入ることができる事業所の作りで良かったとつくづく感じました。
事業所、立地戦略のほんの一部になりますが、こういったことを事前に知っているか知らないかで物件選びも変わってきますし、結果的に利用者さまの満足度もかわってきます。
送迎車から事業所までに、距離があったら利用者さまへの負担も大きいですからね。
デイサービスがうまく行くかどうかは開業前が大事である、とお伝えしているのはこういった理由からになります。
あなたがこれからデイサービスを開業する場合は、必ず私が話している順番で進めて欲しいと思います。
最後までお読みいただきありがとうございました。