デイサービスとは

デイサービスとは(3分でまるわかり)

デイサービス(通所介護)
デイサービスとは、高齢者が施設に入居することなく自宅から通って専門のスタッフから様々なケアを受けられる施設のことです。

その名前の通り、基本的に日帰りで受けられる介護サービスが主に行われており、専門家による健康チェック、食事の提供、入浴、レクリエーション活動など、多様なサービスが提供されます。

ここではデイサービスについてどのようなものかを簡単に説明していきます。

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デイサービスの特徴

デイサービスは、住み家を離れずに近場で必要なケアを受けられるという点が大きな特徴です。

そのため基本的にデイサービスはその地域に住む住民のためのサービスになり、施設からの送迎範囲が決まっているため、範囲外に住む方はその施設の利用ができません。

介護にかかりきりのご家族がリフレッシュできる機会を作ったり、高齢の方が施設へ入居することなく住み慣れた我が家で長く生活を送れるために、デイサービスが大きな役割を担っています。

また、利用者によってニーズが異なるため、多種多様なプログラムが用意されており、例えば認知症対応のプログラムや、特定の疾患に特化したケアも提供されています。

デイサービスの種類

デイサービスにはいくつかの種類があります。

食事や入浴の介助などを行う「一般型」、短期間の宿泊が可能な「お泊まり型」、特定の疾患や状態に対応した「特化型」、認知症の高齢者に対応した「認知症対応型」、医療ケアを行う「療養型」と目的別に別れて複数あります。

一般的なデイサービス

一般的なデイサービスは、高齢者や障害を持つ人が日中に様々なケアやサービスを受けられる施設です。食事提供、健康チェック、入浴、排泄の介助、生活機能訓練、レクリエーション活動などが含まれます。

お泊り型デイサービス

お泊り型デイサービスは、一般的なデイサービスに加え、宿泊することも可能なサービスです。これは、介護が必要な人が一時的に自宅を離れる場合や、家族が外出するときに便利です。

特化型デイサービス

特化型デイサービスは、特定のニーズや症状に特化したプログラムが提供される施設です。例えば、運動機能の向上を目的としたプログラムや、特定の病気に対応したケアが提供されています。

例えばリハビリ特化型は歩行訓練や筋力トレーニングなどの機能訓練に重きを置いて、他のデイサービスと違って、食事や入浴の提供を最小限、もしくは行わずに機能訓練を中心にする場合もあります。そのため、利用時間も半日単位と短めになるため、介護費用や時間の負担も少なく利用できます。

認知症対応デイサービス

認知症対応デイサービスは、認知症の症状を持つ人々を対象としたサービスです。専門のスタッフがおり、認知症の症状に対応したケアや活動が提供されます。

療養型デイサービス

療養型デイサービスは、医療的なケアが必要な人を対象としたサービスです。看護師などの医療スタッフが在籍しており、特別な医療処置や薬の管理、健康状態のモニタリングが行われます。

それぞれのデイサービスには特有のメリットがあり、利用者やその家族のニーズに応じて選ばれます。

事前にどのようなサービスが必要かをしっかりと確認し、適切な施設を選ぶことが重要です。

また、デイサービスにおいて一般的なものとして下記の記事も参考にしてみてください。 ⇒ 【必読】デイサービスの種類を知ってますか?半日型と1日型の比較

デイケア(通所リハビリテーション)との違い

デイケアは、医療施設で提供される通所型のリハビリテーションサービスです。

対象となるのは、主に急性期の病気や手術からのリハビリテーションが必要な方です。

一方でデイサービスは、一般的に高齢者や障害を持つ方が対象で、日常生活のサポートが主な目的となります。

一般的なデイサービスの内容と一日の流れ

サービス内容

・健康チェック :利用者の健康状態を把握するためのチェックが行われます。
・食事の提供  :栄養バランスの取れた食事が提供されます。
・入浴     :専門のスタッフが入浴の介助を行います。
・排泄の介助  :必要に応じてトイレなどでの介助があります。
・生活機能訓練 :日常生活の動作に必要な訓練を行います。
・アクティビティ:レクリエーション活動や趣味を楽しめるプログラムがあります。
・口腔ケア   :歯磨きや口の中の健康チェックが行われます。

1日の流れ

朝に施設に到着した後、まずは健康チェックから始まり、その後に各種プログラムや活動が行われます。

昼食と午後の活動を経て、夕方には帰宅の準備が始まり、送迎によって自宅に帰ります。

費用と自己負担

デイサービスの費用

デイサービスの利用には一定の費用がかかりますが、その多くは日本の公的な介護保険制度によって補助されます。

※介護保険料
介護保険料は40歳以上の全ての日本国民が支払う必要のある保険料で、この保険料は一般的には年齢や所得によって異なり、自治体によっても設定が変わる場合があります。

利用者の自己負担

介護保険を利用した場合、デイサービスの費用は一部自己負担となります。

自己負担率は一般に10%ですが、所得に応じてこの率が変動する場合があり、高所得者は自己負担が高くなることがあります。

※利用するサービスによっては追加料金が発生する場合もあります。

保険適用外のサービス

デイサービスには、介護保険が適用されないオプションサービスもあって、例えば美容室や足裏マッサージなどの追加サービスは、全額自己負担となる場合が多いです。

月額の上限額

介護保険には、自己負担の月額上限額が設定されていて、これは一ヶ月に支払う自己負担が一定額を超えないようにする制度です。

この上限額も所得や生活状況に応じて異なります。

メリットとデメリット

デイサービスのメリット

1.施設に入居せずとも、自宅にいながら通所で適切な介護や医療ケアが受けられる
2.専門のスタッフによる高品質なケアを受けられる
3.他の利用者と交流できる機会が増え、孤立感を減らすことができる。
4.セキュリティや衛生面がしっかりと管理された場所で安心して利用できる。
5.家族が仕事や用事で忙しいときも安心して介護を任せられ、負担が軽減できます。
6.食事、入浴、健康チェック、リハビリテーションなど、多様なサービスが一箇所で受けられます。
7.利用者一人ひとりの状態やニーズに合わせたケアや活動が提供されます。

デイサービスのデメリット

1.サービスにはそれなりの費用がかかるため自己負担が高いと感じる方も
2.施設によってはサービスの品質が一定でない場合がある
3.施設までの移動が必要な場合、それが高齢者にとっては負担になることもあります。
4.多くのデイサービスは日中のみなので、夜間ケアが必要な場合は別の方法を考える必要があります。
5.初めての環境となるため、慣れるまでに最初はストレスを感じることがあるかもしれません。

以上がデイサービスの一般的なメリットとデメリットです。

しかし、これらはあくまで一例であり、利用者やその家族の状況によって感じ方は異なる可能性がありますので、事前に施設を訪れて、自分自身で確認することが重要です。

デイサービスの利用条件について

デイサービスを利用するには、いくつかの一般的な条件があります。

基本的には高齢者が主な対象であり、医師の診断書が必要となります。

これらは施設や地域によって多少の違いがあることもありますが、以下はよくある利用条件です。

介護認定を受ける

デイサービスの利用には、日本の公的介護保険制度に基づいた「介護認定」が必要で、要介護認定1~5または要支援認定を受けている人が対象となります。

年齢制限

一般的には、65歳以上の高齢者が主な対象ですが、40歳以上であれば障害者等も利用可能です。ただし、施設やサービス内容によっては年齢制限が設けられている場合もあります。

地域、地区

多くのデイサービス施設は、地域密着型のサービスを提供しています。そのため、特定の地域や地区に住んでいることが条件とされる場合が多いです。

健康状態

重度の医療的なケアが必要な場合、一般的なデイサービスではなく、医療機関での治療や療養が優先されます。健康状態によっては、デイサービスの利用が制限されることもあります。

利用可能日

施設によっては、週に何日までしか利用できない、または特定の曜日しか開いていない場合があります。このような日数や曜日の制限に合致している必要があります。

事前相談、面接

多くの施設では、利用開始前に事前の相談や面接が必要です。これは、利用者のニーズや健康状態を把握し、適切なサービスを提供するためです。

デイサービスの利用手続きの流れ

デイサービスの利用を検討する際には、いくつかの手続きが必要です。

以下、一般的なデイサービスの利用手続きの流れについて説明します。

1. 対象施設を選ぶ

最初に行うべきは、利用したいデイサービスの施設を選ぶことです。地域の公的機関や介護支援センターで情報を集めたり、インターネットで検索をして比較検討します。
またケアマネージャーさんが担当でいらっしゃる場合には、どういったデイサービスを利用したいかをケアマネージャーさんに相談して、提案をしていただきます。
ここでは、施設のサービス内容、費用、立地条件などをしっかりと確認することが重要です。

2. 施設見学と相談

施設見学決まったら、事前に見学や相談を行います。この段階で、自分または利用予定者の状態とニーズに合ったサービスが提供されているかを確認しましょう。
また、スタッフの対応や施設の雰囲気もチェックすると良いでしょう。

3. 必要な書類を提出

施設見学と相談が終わり、利用することが決まったら、必要な書類を提出します。
通常、健康診断書や要介護認定の結果、個人情報に関する書類などが求められます。

4. 施設と契約

必要な書類がすべて揃ったら、次に施設との契約に進みます。
契約内容には、サービスの範囲、費用、キャンセルポリシーなどが含まれています。
契約書に目を通し、内容をしっかりと確認してから契約しましょう。

5. サービスの利用開始

契約が終われば、サービスの利用を開始します。
最初は慣れない環境かもしれませんが、施設のスタッフや他の利用者とコミュニケーションを取りながら、生活の質を高めるために活用していきましょう。

 
以上が一般的なデイサービスの利用手続きの流れです。

各施設によっては、手続きの詳細が少々異なる場合もありますので、事前にしっかりと確認することが大切です。

デイサービスを利用した方が良いケース

デイサービスは要介護認定を受けた高齢者が利用できる施設であり、さまざまな生活サポートを提供します。

以下に、デイサービスを利用すると良いケースをいくつか挙げてみました。

自宅での生活に困難を感じる場合

食事、入浴、排泄など日常生活での基本的な動作が難しくなってきた場合、デイサービスの利用を考えるタイミングです。
専門の介護スタッフがいるので、生活に必要なサポートを受けられます。

外出が減り、社会とのつながりが希薄になっている場合

年齢を重ねると、友達や近隣との交流が減り、外出する機会が少なくなることもあります。
デイサービスは外出する良いきっかけとなり、新しい友達や社会的なつながりを作る場でもあります。

家族が介護疲れを感じている場合

長期間にわたる在宅介護は、家族にとって大きな精神的、肉体的負担となることが多いです。
デイサービスを利用することで、少しでも家族の介護負担を軽減できます。

必要なリハビリテーションや運動ができていない場合

高齢者にとって運動は非常に重要ですが、自宅だけではなかなか続かないことも多いです。
デイサービスでは、専門のスタッフが適切なリハビリテーションや運動プログラムを提供してくれます。

認知症の症状が出始めた場合

認知症の早期発見・早期対応が非常に重要です。
認知症専門のデイサービスでは、症状に応じた適切なケアやアクティビティが提供されます。

転居や施設入居を避けたい場合

施設に入居するのではなく、自宅での生活を維持したいと考えている人には、デイサービスが選択肢となります。
デイサービスで日中過ごすことで、自宅での生活がより安全で快適になります。

 
以上のようなケースでは、デイサービスの利用が非常に有用です。

状況やニーズに応じて、適切なサービスを選ぶことが大切です。